Nippoku Style | 今撮った写真って いつ見られるんですか?
 
 3年生は今日までテストでしたが、テスト終了後に体育館で学年集会をした後、卒業アルバム用のクラス集合写真を撮影していました。
 昇降口前のロータリー付近に並べられた撮影用の椅子や踏み台に、カメラマンの指示に従って並んだ生徒達が、真剣な表情でカメラのレンズに向かっていました。
 全員が並んでから、シャッターが押されるまでの間の様子を見ていると、それぞれのクラスごとに違った雰囲気がありますが、どのクラスも「みんないい表情しているな。」と思わされます。
 なかには、撮影が終わった後に、カメラマンに直接こんなことを頼んでいる生徒もいました。
    「すいません、今撮った写真って、いつ見られるんですか?」
    「今でもみられるよ。でもどうして?」
    「目をつぶっていないかと思って。」
    「大丈夫だよ。何枚も撮ってるから。」
    「でも見たいなぁ。」
    「じゃあ、見せてあげるよ。」
 生徒達の希望を聞いてくれたカメラマンの方の好意で、カメラの液晶画面に次々と表示される自分たちの写真を見ながら、生徒達は楽しそうに話しながら画面をのぞき込んでいました。
 そういう生徒達の楽しそうな、そして生き生きとした表情を見ていたある先生が、こんなことをボソッとつぶやきました。
    「あと半年すると、みんな居なくなっちゃうんですよねぇ。寂しいよなぁ。」
 この心境はよくわかります。
 私が担任をしているとき、自分の心の中で一番楽しみにしている一方で、その日が来てほしくないと思っていたのは卒業式でした。それは、担任として全精力を注いできた生徒達と別れることで、卒業式後にとてつもない寂しさにおそわれるからです。生徒への思い入れが強ければ強いほど、大きな寂しさにおそわれます。
 この寂しさは教員の宿命なのですが、「あと半年後に別れたくない。」と教員に思わせるほど、日立北高の生徒は素晴らしいし、教員と生徒の心の繋がりが強いのです。
 生徒と教員との心の距離がもの凄く近い学校、それが日立北高です。


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