Nippoku Style | 「そんなこと常識だろう」ではなく・・・・
 
 先日、ある学年で生徒を集めた時に校長挨拶を頼まれ、JOYホールで話をした時のことです。
 私が部屋に入った時、生徒達はもうすでに全員席についており、静かに会が始まるのを待っていました。そのとき、司会の方が生徒達に向かって「校長先生がいらしてるのですから、机の上に鞄を置いておくのは失礼ですよ。」と静かに言うと、数人の生徒が机の上にあったカバンを床に置きました。
 私たちは生徒の行動を注意する時に、つい詰問口調で「そんなこと常識だろうよ。」と言いがちです。でも、私たちが常識だと思うことも、生徒達は、今までの人生の中で教わってこなかったことがたくさんあると思うのです。ひょっとしたら、1回は教わったことがあるかもしれません。でも、1回ではなかなか身につかないし、直ぐ忘れてしまうと思います。ですから、生徒達に一つ一つ、根気強く何回も繰り返して教えていくことが、私たちの役目なのではないでしょうか。
 そう考える時、いつも感心するのは不特定多数の生徒が使用しているトイレのサンダルが、男女ともいつもきちんと揃えられていることです。今日も揃って並んでいました。家庭できちんと教わった生徒達が、いつも揃えてくれるのかもしれません。あるいは、本校の教員が、生徒達に教えているのかもしれません。こういうことをきちんとしつけられる家庭や学校の存在は、生徒達が社会人として成長していく過程で、とても大事だと思います。
 同じことを繰り返しいうのは根気がいることだし、「いつも言ってるだろう」と腹が立つこともあります。でも、そういうことを繰り返して指導することで、生徒達も成長すると思うのです。日立北高には、根気よく指導できる先生がたくさんいます。これも本校の誇りです。
 私たちも、多くの先輩方から繰り返し言われることで社会の常識を身につけてきたはずです。初めから身についている人はいません。ですから,生徒達に「これはね、○○○○○○なんだよ。」と一つ一つ根気強く教えていくことも、私たちの重要な仕事だと思っています。
 何度でも根気強く、そして丁寧に、「継続は力なり」を信じて取り組んでいくのが教育なのではないでしょうか。
 今日、テニスコートの脇を通りかかったら、ソフトテニス部が根気強く育ててきたラベンダーが、青い花を咲かせていました。


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