Nippoku Style | おや?
 
 今朝学校に着いた時には、どんよりとした曇り空でしたが、午前10時頃から雲が切れ始め、昼前には青空に輝く太陽の姿を見ることができるようになりました。
 そんな冬晴れの今日、窓から差し込んでくる暖かい光を浴びながら、昼休みに新聞を読んでいたら、「おや?」というタイトルの記事が目につきました。記事の出だしはこうです。
[12月20日付けの朝日新聞朝刊より]

 うちの息子や娘は、内定を取れるのだろうか。厳しい就職状況が心配で、じっとしていられなくなった親が、大学へ相談に行ったりセミナーに参加したりするなど、「就活」している。思いあまって、周囲から見ると驚く行動をとる親も。就職活動を見守る心得とは−。
(諸麦美紀、山根祐作、平岡妙子)
 
 都内の大学が開いた就職セミナー。学生に交じり、保護者が座っていたため、職員は驚いたという。事情を聞くと、アルバイトで来られなかった娘に代わって出席したという。手にはICレコーダー。「帰って聴かせます」。
 都内のある私立大学であったケースはこうだ。朝一番で事務室の電話がなった。学生の母親からせっぱ詰まった声で「学長につないでほしい」。卒業に必要な実習と、企業の面接日が重なってしまったらしい。「実習の振り替えを」という訴えだった。
 ・・・・(以下略)・・・・

 朝日新聞のこの記事は大学生の就職活動時の話題ですが、以前ならこの様なことは考えられないことでした。
 親が子どもを思う気持ちは、時代がどう変わっても変わることはありません。親なら、子どもために何か役立ちたいと思うし、苦労はさせたくないと思うのが自然です。でも、その気持ちばかりが強く、子どもの「年齢にふさわしい成長」のために、親は今どうすればいいのかという視点が抜け落ちてしまうと、周りから「えっ?!」と思われるような行動をしてしまうのではないでしょうか。
 上の記事の親を、「今の親は常識がないんだから」と批難することは簡単です。でも、記事に例としてあげられた親も、周囲は違和感をもったかもしれませんが、自分では「子どものためにこれが正しい」と思っての行動だったはずです。
 今の大学生の親である私たち以降の世代は、核家族化が急速に進んだ世代ですから、自分の親や親戚から「子どもの成長に応じた子育ての方法」を学んでこなかったのかもしれません。そして、人間教育の基本単位である「家庭の教育力」が弱くなったと言われる現在、自分たちの目の前にいる生徒一人一人とどう関わるのがいいのかということを、私たち教員はこれまで以上に多角的な視点で考える必要があると感じさせられた記事でした。


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