Nippoku Style | 「ちりとり」で雪かきをしてくれている生徒がいました
 
 夕べ遅くから今朝にかけて雪が降り、生徒達も足元に注意しながら登校してきました。天気予報では、昨夜から今朝にかけて関東地方の北部では雨か雪が降るといってましたが、今朝窓の外を見て驚いた人もいるのではないでしょうか。
 交通機関の遅れなども特になく、授業は平常どおり始まりましたが、休み時間を見ていると、やっぱり生徒達は雪が好きなようです。
 開校から数年間の施設・設備がまだ整わない頃、教室にはストーブが設置されていませんでした。当時、ストーブは、保健室、図書室、実験室、職員室にしかなかったので、寒い日の昼休みには、図書室は生徒達でいっぱいでした。
 当時の生徒達はストーブがないとわかっていても、休み時間にキャーキャー言いながら、雪投げをして遊んでいました。雪を握った手はかじかんでしまい、授業が始まっても指が上手く動かなくて、ノートも満足にとれない者もいました。授業をしている時、冷たさで真っ赤になった両手にフーフー息をかけながら、一生懸命に暖めている生徒達の姿が懐かしく思い出されます。
 そんなことを思い出しながら昇降口を歩いていたら、掃除用の小さな「ちりとり」を手に持って、昇降口の雪かきをしている男子生徒二人の姿に気づきました。
   「雪かきしてくれてるの?寒いのにありがとう。」
     「友達待ってるんですけど、まだ来ないから、ちょっとだけやってるんです。」
 この二人のことを、生徒達は誰も気づかないかもしれません。それに、生徒達が滑らないように雪かきをしてくださる技術職員の方々の姿にも気づかないかもしれません。しかし、雪かきをしてあるところを当たり前のように、何も気づかずに歩いてくる人にはなってほしくないと思っています。「誰かがやってくれているんだ」ということに気づける人になってほしいのです。そうすれば、「感謝」の気持ちも自然に生まれてきます。
 そういうことを一つ一つ教えていくことが、人を育てる時には大切だと思っています。


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