Nippoku Style | あと少しだ! ガンバレ!
 
 本校では、毎週火曜日に登校指導を行っています。今朝も7時半過ぎから、昇降口だけでなく学校と十王駅の間にも教員がたち、登校指導をしました。
 今朝はまだ、一昨日深夜から昨日朝にかけて降った雪が残っているところもあり、そこを吹いてくる風の冷たさは、いつにも増して一段と厳しいものがありました。その厳しい風の冷たさを吹き飛ばし、路上で登校指導している私たちの心を温かくしてくれるのは、登校してくる生徒達の笑顔です。
 「おはよう」と声をかけた時、笑顔で「おはようございます。」と応えてくれる生徒達の笑顔があるので、靴の中のつま先まで冷える寒さの中でも何とか我慢ができるのです。それが教員です。
 登校してくる生徒一人一人に声をかけようと思っていても、集団でやってくると、なかなかそうもいきません。こちらから「おはよう!」と声をかけないと、自分からはなかなか「おはようございます。」と言い出せない生徒もいます。でも、そういう生徒も、「声をかけられたら『おはようございます』って言おう。いつ言ってくるかな?もうすぐかな?まだかな?」という表情を示すこともあります。そんなとき、大きな声で「おはよう!」と声をかけると、笑顔で「おはようございます」と返してくれます。この暗黙のタイミングがピッタリあった時、挨拶一つで生徒と気持ちがつながったという実感を持つことができます。
 私がいつも立っている場所は、長い坂の途中にある小さな交差点です。徒歩で登校する生徒や十王駅から自転車を利用している生徒の多くは、団地の間を通ってその交差点に出てきますが、長い坂を自転車で登ってくる生徒も結構います。
 その坂は長いだけでなく勾配もあるので、身軽な状態でも登り切るのは大変です。それなのに、教科書や着替え、お弁当の入った大きなバッグを背負い、ハンドルの前の籠にも荷物をいっぱい入れた自転車で、サドルから腰を上げ、全身でペダルを踏んで登ってきます。女子生徒の中にも、頑張って坂を登り切ってしまう者もいます。しかし多くの生徒は、坂の途中で自転車を降り、私たちの前を、自転車を押しながら登っていきます。
 今朝も、団地を抜けてくる生徒達が一段落した時、坂の下から喘ぎながら登ってくる一台の自転車が目に入りました。ペダルを必死にこいでいるのは男子生徒でした。その自転車が私たちの目の前を通りかかった時、一緒にいた教員が「あと少しだ!ガンバレ!」と声をかけたら「ハイ!」と大きな返事が返ってきました。そばで見ていても、清々しい光景です。
 こんなやりとりができる生徒と教員、それが日立北高の魅力です。


copyright (c) Hitachikita , All Rights Reserved

Supported by 日立北高等学校同窓会「北窓会