Nippoku Style | 授業に引き込まれていった瞬間
 
 今週月曜日は豊浦中学校の道徳の授業を参観させていただきましたが、今日の午後は、日高中学校の授業を参観させていただきました。
 今日の日高中学校では、1年生と2年生の合わせて5クラスが道徳の授業を、他のクラスが数学、社会、英語、学級活動の授業を公開していました。土曜日と言うこともあり、多くの保護者の方々が各クラスで授業を参観している姿を見て、中学校と地元との繋がりの強さ、保護者の方の関心の高さを感じました。それと同時に、どの高校も「開かれた学校づくり」を目指しているとは言っても、まだまだやるべきことがあると反省させられました。
 道徳の授業だけでなく、1年生と2年生のすべてのクラスを見せていただきましたが、どのクラスも教員の問いかけに対して生徒が直ぐ反応し、見ていて気持ちのいい授業でした。
 今日参観した日高中学校も、廊下には生徒達の作品がたくさん掲示されており、それを見ているだけでも楽しい時間を過ごすことができました。そして、高校と中学校とでは、教室の作りが根本的に異なることに気付きました。高校の教室は、ベランダ側と廊下側の両方が窓ガラスになっているのに対し、中学校の教室は、廊下側が壁になっています。そのため、教室と廊下と間の壁に、生徒達の作品を掲示できるのです。この教室の作りの差が、高校と中学校の、学校の雰囲気を異なるものにしているのかもしれないと感じました。
 授業を参観している保護者の中には、本校生の保護者の方も何人かいらっしゃいました。私の顔を見つけ、軽く会釈をしてくださる方や、わざわざ「○○の母です」と名のって挨拶をしてくださる方もおいでになり、かえってこちらが恐縮してしまうほどでした。
 授業をしている先生方をみても、真剣に聞いている生徒さん達をみても、日頃からよく育てられていることがよくわかりましたが、そんな中、授業の中に出てきたことばで、こんな言葉が印象に残りました。「いつ後ろを振り向いても後悔のない人生を送りたい。困難も逆境も人生の一部分だと思いながら、乗り越えていこう。」
 この言葉は、2001年1月26日、山手線新大久保駅で泥酔した男性がプラットホームから線路に転落し、その男性を助けようとして線路に飛び降りた日本人カメラマンと韓国人が、折から進入してきた電車にはねられて3人とも死亡した痛ましい事故の犠牲者の一人であるイ・スヒョン(李秀賢)さんが好きだった言葉です。
 「飛び降りた二人」というテーマで行われた道徳の授業で、担任の先生が2001年の事故の概要を生徒さん達に紹介しているときや「いつ後ろを・・・」という言葉を紹介したとき、後ろから見ていても、生徒達が身を乗り出すようにして聞き入っている姿がよくわかり、とても印象的でした。生徒達が、授業に引き込まれていった瞬間でした。
 本校でも保護者の皆様への公開授業や、校内での互見授業に取り組んでいますが、自分の授業を「見せる」「見てもらう」、他の先生の授業を「見る」ことで、一人一人の指導力は確実に向上します。授業している先生方は緊張するでしょうが、生徒達も授業への取り組み方や反応がいつもと異なり,お互いに充実感や連帯感を味わうことができるからです。
 そんなことを考えながら授業を見ていたら、程よい緊張の50分が、あっという間に過ぎてしまいました。公開授業は勉強になります。


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