Nippoku Style | 卒業させた寂しさ
 
 昨日は卒業生や保護者の方で賑やかだった校歌碑前も、今日は静かです。
 今まで登校していた3年生の姿を今日から見られなくなると思うと、寂しい気持ちになります。担任に比べて生徒達との接触の機会が少ない校長の私でもそう感じるのですから、昨日、手塩にかけた生徒達を送り出したばかりの担任の皆さんは、満足感・充実感を感じるとともに、自分の心の中にポカッと大きな穴が空いたような寂しさも味わっていることと思います。私たち教員にとって、特に担任にとっては、生徒の存在はそれほど大きいのです。
 卒業アルバムを見ながらそんなことを考えていたら、校長室の窓ガラスを、誰かがドンドンと叩いているのに気付きました。誰かと思ってカーテンを開けると、笑顔でこちらを見ている1年生の姿がそこにありました。
 窓の鍵を開けて「おはよう」と声をかけると、「校長先生、きのうの卒業式、感激しましたぁ。思わず泣いちゃいました。」という返事が返ってきました。
 校長室の窓を叩いて、わざわざ自分の気持ちを伝えに来てくれた生徒の温かい気持ちが、担任の先生に比べたら比べものになりませんが、私の心に空いていた小さな穴を、優しく埋めてくれました。


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