Nippoku Style | 被災した方から多くのことを学びました
 
 「勤労感謝の日」の11月23日、野球部員26名と教員4名が災害ボランティアに参加しました。朝5時に日立北高校を出発し、約4時間をかけて宮城県の東松島市へ向かいました。JR仙石線の東名駅周辺での作業でした。
 午前中は、2班に分かれてボランティアによって刈られた状態の草を土嚢袋に詰めて運ぶ作業と、花壇を作り菜の花の種を植える作業をしました。作業をしていると、近所に住む地元の方が声をかけてくれ、東日本大震災当日の体験談を話してくれました。津波の恐ろしさや、今も通常の生活ができないことなどです。
 野球部主将の平くんは、「今自分たちが普通に学校に行き、野球ができていることがとても有難いことだと改めて感じた」と話していました。他の部員もそれぞれに多くのことを感じ,学びました。
 作業をしていると小さな子ども達が近づいてきました。近所に遊び相手がおらず、寂しい思いをしているとのことで、数名が一緒に遊ぶことになりました。最初はぎこちなかった子ども達と部員達でしたが、次第に仲良くなり笑い声が響きました。震災の後、津波によって家を流されたり、家族を失ったりして人が減り静かになってしまった地域に、子ども達の笑い声が聞こえることをとても微笑ましく感じました。
 昼食後、午前中と同じ作業に加えて、野球部員の有志と教員2名が個人のお宅で泥かきやパイプの組み立てをお手伝いしました。そこでも地元の方が震災の体験談等を話してくれました。泥かきやパイプの組み立てはとても重労働で大変な作業だったようですが、みんな貴重な経験ができたとさわやかな表情をしていました。
 帰りのバスの中で野球部監督の山田教諭が「今日ボランティアに行けたのは誰のおかげだ?」と部員に問うと、「両親のおかげなので帰ったらお礼を言います」と答えました。それを聞いた一般の参加者から自然に拍手がわきました。普段から「お陰様」や「感謝の心」を大事にしている野球部ですが、今回の経験を通して彼らが得たものは大きかったことと思います。


copyright (c) Hitachikita , All Rights Reserved

Supported by 日立北高等学校同窓会「北窓会