Nippoku Style | 見えない部分がこんなにあるとは・・・
 
 2年生の生物の実験を参観しに、カメラを手に実験室に出かけました。「盲斑(もうはん、マリオットの盲点ともいいます)の検出」を2人1組で行います。「校長先生、一緒にやっていただけますか?」1人足りないとのことで私も参加することになりました。生徒とともに観察できるのはとても嬉しいことです。ペアを組んだ生徒には迷惑だったかもしれませんが、お世話になりました。
 実験内容ですが、まず、盲斑の確認をします。○印と●印を書いた紙面と顔を平行にし、右目を閉じて○印を注視します。○印を見つめたまま紙面までの距離を近づけていくと、 ●印が消えます。
 次に、盲斑の大きさを2人1組で測定します。○印と直線が書かれた用紙を測定する人の目の高さ合わせます。測定者は用紙から60cm離れ、左目を閉じ、右目で○印を見つめたまま、パートナーがゆっくり移動するキラキラ棒の先端を確認します。キラキラした先端が見えなくなったA点、再び見えるB点を記録します。A点とB点の中点を求め、その中点から45度に8本の線を引きます。それぞれの直線について、同様な操作で、見える見えないの境界点を探します。その8つの点をなめらかな線で結び、できあがった図形を方眼紙に写し取ります。方眼紙の面積を求め、網膜上の盲斑の面積を求めます。言葉での説明では、わかりにくいかと思います。写真を参考にして下さい。
 盲斑の水平方向の直径や面積は個人差があり、みな異なります。私の盲斑の面積は0.06平方センチメートルであり、オカリナのような形になりました。きれいな楕円形やハート形、みかんの形にちかい生徒などさまざまです。
 人間の眼球には、網膜と脳を繋ぐ視神経の通り道として「盲斑」という部分があり、その部分には視細胞が無いため光を感じないので、その部分の映像が実は「見えていない」ために起きます。しかし、普段は両目で見ている(=両目の見えない範囲が重なっていない)ことや、脳が自動的に回りの景色から捕完すること、また、視線を動かすことなどにより、盲斑を意識しなくてすんでいるようです。
 「こんなに見えない部分があるなんて、びっくりしました」「かんたんな操作で、盲斑の直径や面積が求められて感動しました」生徒たちは、素直な感想を口にしていました。
 今年の8月9日に、中学生体験学習の模擬授業が予定されています。こんな感動的な実験が多くの中学生を待っています。


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