Nippoku Style | 酸化鉄(V)を還元するテルミット反応は、とってもきれいでした
 
 2年生化学の課外で、「テルミット法」を用いて実験をしました。「テルミット法」とは、金属アルミニウムで金属酸化物を還元する冶金(やきん)法の総称です。ギリシャ語の『熱(therm)』に由来しています。テルミット反応とも呼ばれています。また、この方法はハンス・ゴルトシュミットにより発明されたので、ゴルトシュミット法ともいいます。
 金属酸化物と金属アルミニウムとの粉末混合物に着火すると、アルミニウムは金属酸化物を還元しながら高温を発生します。この還元性と高熱により、目的の金属融塊は下部に沈降し、純粋な金属が得られます。産業界ではクロム、コバルト、マンガン、バナジウムや特殊な合金鉄の冶金などに利用されています。
 実験方法です。
1 Al粉末0.6gと酸化鉄(V)粉末1.6gをそれぞれはかり取り、るつぼの中でよくかき混ぜる。下に砂をいれた空き缶を置く。への活用です。
2 ろ紙(150mm)を折り、下の部分を切り取り、直径15mm程度の穴をあける。その上に小さいろ紙(110mm)を折って重ね、マッフル炉に入れる。
3 重ねたろ紙の中に、よく混ぜたAlと酸化鉄(V)の粉末を入れる。点火用のMgリボンをねじり折りしたもの(長さ5cmほど)を導火線として差し込み、さらに差し込んだ部分のまわりにもMg粉末を少量ふりかける。ものですね。
4 Mgリボンに点火し、安全な場所に避難する。
5 砂の上に、溶け落ちた塊をるつぼさみでつかみ、ろ紙を敷いて水を入れたビーカーで急冷する。その塊が鉄になったかどうかを磁石に付くか、どうかで確かめる。
 「チョー、スゲー、きれい〜」「まぶしい〜」「ホントに磁石にくっついた〜」女子生徒が多かったせいか、黄色い歓声があがっていました。
 この後、校舎の外で、分量を10倍にして実験を行いました。実験室では危険な量なので、迫力十分のテルミット反応を見ることができました。ただ、写真撮影には失敗してしまいました、悪しからず。



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