Nippoku Style | クマガイソウ(熊谷草)が満開です
 
 本日は12日(土)に開催されるPTA総会の振替休日です。
 普通教室北側にある花壇の中で、クマガイソウ(熊谷草)が淡いピンク色の花を1輪つけて咲いています。群生しているのでなかなか見事なものです。花びらは唇のような形をした袋状をしており、ユニークですが、よ〜く見ると優雅さがあります。興味のある人は今がチャンスですよ。是非、ご覧ください。
 クマガイソウは野生ラン(蘭)の一種で、絶滅危惧種に指定されています。鑑賞価値が高い野草のため、乱獲され数が激減しています。自生しているクマガイソウは大変希少で、大量に群生している自生地は、福島県松川町など全国でわずか3ヶ所だそうです。「熊が居そう」なところだけでなく,夏は涼しく、やや薄暗い場所に群生する植物です。袋状の唇弁を熊谷直実(くまがいなおざね)が背負った母衣(ほろ:弓矢を防ぐ武具)にたとえて名前が付けられたもので,別名はホロカケソウ(母衣掛け草)といいます。
 なお,クマガイソウの仲間にアツモリソウ(敦盛草)があります。アツモリソウの名前は源平合戦で源氏に敗れた平敦盛の名前に由来しています。1,184年、源義経は人間が降りることが困難(と言われている)な断崖絶壁である鵯越(ひよどりごえ)を馬で降りて平氏の陣に火を放った。この奇襲攻撃で平氏は大敗し、沖の船に乗り込み逃げた。この戦いで討たれたのが平家の若き将、平敦盛です。
 その当時、合戦で流れ矢を背後から受けた場合の防具として、大きく膨らませた袋(母衣:ほろ)を鎧(かぶと)の上に背負っていたようで、その形がこれらの花の形に似ていることから付いた名称と言われています。膨らんだ形の唇弁を昔の武士が背中に背負った母衣(ほろ)に見立て、がっしりした方を熊谷直実に、優しげな姿の方を平敦盛に当てはめたとも言われています。
 ところで、平敦盛と熊谷直実を名付け親としたのなら「アツモリソウ」と「ナオザネソウ」とすべきですが、・・・。こんな話があります。
 平氏側のアツモリソウに対し、「名前をクマガイソウ(熊谷草)に合わせて苗字を使い、タイラソウ(平草)にしたらどうか」と迫ったそうです。アツモリソウは動揺することなく、平家(平気)な顔をして黙っていたらしい。そこで今度は源氏方のクマガイソウに対し、「名前をアツモリソウ(敦盛草)に合わせて、ナオザネソウ(直実草)にしたらどうか」と迫ったらしい。クマガイソウは動揺することなく、こう怒鳴ったそうだ。「名前は直さねー(直実)」



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