Nippoku Style | 県内高校の理科教員が国際科学オリンピックの問題に挑戦しました
 
 8月17日(金)、土浦一高において県内高校の理科教員が研修会を行いました。今年の参加者は60名を超えました。
 夏休みは、われわれ教員が力量を高める絶好の機会です。国や県及び民間の団体が主催する研修会や勉強会に参加したり、教員同士で研修会を行っています。
 午前中の全体会では、教員による物理や化学の研究発表がありました。発表した教員と参加した教員の間で意見の交換も行われます。
 午後は物理と化学に分かれて実験研修を行いました。今年度は、科学技術振興機構(JST)の協力により「国際科学オリンピックの実験問題」に挑戦しました。
 「国際科学オリンピック」は世界の中等教育課程にある生徒(中高生)を対象にした大会で、数学、物理、化学、生物、地学、情報、地理の7分野があります。
 今回は、物理、化学の両オリンピックで代表生徒の指導に当たった大学教員に指導していただきました。
 物理は東京理科大の北原教授、元東北大の近藤教授が担当しました。回転子を使って、回転がどのような法則に支配されているかなどを調べました。
 化学は芝浦工大の中村教授、東京農工大の米澤教授が担当しました。二価の鉄イオンと三価の鉄イオンの量をはかる実験を2通りの方法で行い、その比較をしました。
 いずれの実験も教科書にはなく、授業では扱わないものです。参加した教員も真剣に取り組んでいました。「科学の面白さは、実験や観察を自ら行い、考えること」です。久しぶりの難問に挑戦し、大脳をフル回転させたことでしょう。是非、今回の研修の成果を生徒への指導に生かしてほしいものです。私も大学生に戻った気分になりました。
 終了後に行ったアンケートから、『科学(理科・数学・情報等)の授業がこれからの時代に対応していくための有効な方法は?』の問いに対する教員の声をいくつか紹介します。
 「高校科学と大学科学にもう少しつながりを持たせる必要があると思う。」
 「科学と教育、私は「教育」に重きをおくべきだと思う。理論よりまずは「楽しい」が大切だと思ってます。高校ではなかなか難しいですが、それには最先端の研究成果を分かりやすく説明できるインタープリター(解説者)が多数必要です。」
 「高校の理科教員が、小中学校の理科実験を支援できるような体制ができるとよい。」
 「受験問題(大学入試問題)がまず改善されることが急務である。興味深い授業や科学的なイベント、実験、観察の機会を多く設けても、大学入試問題は予備校的な訓練を受けたものが有利になる問題が非常に多い。」




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