Nippoku Style | 盲班の観察
 
 職員打ち合わせ後、校長室に戻ると「校長先生、2校時から『盲班の観察』をやります」との連絡がありました。
 生物実験室に出かけました。実験室後方の水槽にヒメダカが元気に泳いでいました。
 2年生恒例の観察です。盲斑(もうはん、マリオットの盲点ともいいます)を観察します。一般的には「盲点」と言われますが、普段はあまり意識しません。
 盲点とは、視野のなかにある見えない部分のことです。網膜にある「視神経乳頭」の部分には、網膜(視細胞)がないため、ここに映像をうつすことはできないのです。
 盲点は、片目になったときに自覚されます。ところが両目になると、ふしぎなことにマリオット盲点は姿を消します。脳は両眼視機能によって、片ほうの目にあるマリオット盲点を、もう片ほうの目の映像を参考にして補ってくれるのです。
 観察は盲斑を確認し、その後で盲斑の大きさを測定します。操作方法は省略しますが、方眼紙を使って見えない部分の面積を計算します。それぞれ、真剣な眼差しで行っています。
 盲斑の水平方向の直径や面積は個人差があるようです。「こんなに見えない部分があったんですね〜。びっくりです。」「私のは前方後円墳のかたち、見え方が変わっているの?」生徒たちは、素直な感想を口にしていました。
 ひょっとすると、いろいろなところに「見過ごされている盲点」があるのかもしれませんね。




copyright (c) Hitachikita , All Rights Reserved

Supported by 日立北高等学校同窓会「北窓会