Nippoku Style | 「脳トレ」はすごかった。
 
 昨日、進路講演会を行いました。講師は、東北大学の 川嶋隆太 教授です。先生は、東北大学加齢医学医学研究所に所属し、『脳機能イメージング 脳機能開発』が]ご専門です。『脳を鍛える』をコンセプトとして、脳機能を向上させるための教育・医療・出版・IT・エンターチィメントまで幅広い分野でご活躍です。
 先生は今回「将来の可能性を広げる脳の鍛え方」という演題でご講演いただきました。
 最初に先生のご専門の脳科学の歴史を説明していただきました。
その中でも特に、言語は理解しているのに、全く話せないタンさんの話、大きな鉄の棒が頭を貫通したゲージさんの話は鮮烈でした。ゲージ事件では鉄の棒が脳の前頭葉を貫通した後、奇跡的に命は助かりましたが、その損傷で彼の性格は大きく変わり、彼の友人たちをして「もはやゲージではない」と言わしめるほどの別人格になったのです。脳の損傷が、彼の心や行動の根本的に変化を及ぼしたようです。さらに『ロボトミー』の話は強烈でした。治療が不可能と思われた精神的疾病に対して、外科的手術である程度は抑制する手術です。脳の前頭葉に金属板を入れる手術で、当初は劇的な効果があり世界各国で施術されました。しかし、術後に人格変化、無気力、抑制の欠如、衝動性などの重大かつ不可逆的な副作用が起こりました。
 初めて聞く脳科学の話に聴衆は完全に引き込まれました。生徒たちは目を輝かせて先生のお話に聞き入っていました。すると、効果的な勉強方法がわからず悩んでいる生徒たちに、 『能力を向上させる方法 ディフェンス編』『能力を向上させる方法 オッフェンス編』と続きました。 まず、ディフェンス編です。まず重要なことは睡眠です。夜11時までには眠ることが重要です。宮城県内の小中学校・高等学校で収集したデータを使い見事に分析していました。レム睡眠・ノンレム睡眠・成長ホルモン・ミトコンドリア・朝食の重要性等様々な角度から、詳細なデータを駆使して説明していました。現代人は、大変忙しく慢性寝不足状態である。寝る時間を決めて、タイムマネジメント身につけることは大変重要です。脳にはブドウ糖が必要、朝食をとらずに登校しては、十分能力を発揮できない。きちんとした生活習慣を身につけることによって、自分の持っている潜在能力を最大限発揮することができます。      PTA連合会の言っている、『早寝・早起き・朝ご飯』は脳科学的にも大変有効だそうです。
 次は、オフェンス編です。先生の開発した『脳トレ』は学習療法と呼ばれ全国の認知症患者の認知機能向上に大きな功績を残しました。今回は、グレードアップした『鬼トレ』『2バック・3バック』などを楽しみながら体験しました。3バックでは、簡単な四則演算の計算を連続して続けながら、解答は3問前の問題の解答をするトレーニングです。全員で大きな声で解答していきましたが、先生方の声はだんだん小さくなり生徒たちの声はどんどん大きくなりました。話は、作動記憶トレーニングの話、スポーツ選手のトレーニング、遺伝子・BDNEの話と進みました。様々な集団の具体的な統計資料を挟み、グラフ化し、高校生にもわかりやすく説明していただきました。
 講演の最後には、高校生が日常生活の中で、『脳を鍛える』具体的な方法にも話は及びました。運動する時には、準備体操が必要なのと同じで脳にも準備体操は有効である。      @まず、生活習慣が重要(ディフェンス編のとおり)                  A音読は極めて有効   特に語学学習には必須・英語の音読・古典漢文の音読はおすすめ    B単純な計算の繰り返しも有効  早くかつ正確に計算できる用に訓練すること                     C学習することは暗記することではない。何事にも、疑問を持ち理由を考える習慣を持つこと            Dテレビ視聴は有害。 時間視聴することは脳を退化させる。                E携帯電話・スマートフョンを長時間使用も有害。                   (相当深刻な問題・携帯依存症と呼ぶべき病気:近い将来規制すべき)                               
 講演会終了後、各学年代表男女1名合計6名が壇上に上がりパネルデスカッションを行い、様々なテーマについて討論が続きました。最後に質疑応答で4名ほどが質問し、無事終了いたしました。
 先生から生徒へのメッセージは次のとおりです。
将来の自分自身の可能性を広げるために、『脳を鍛えください。』。脳は君たちの心そのもので君たち自身です。脳を記鍛えれば君たちの将来の可能性も大きく広がります。是非頑張って下さい。




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