Nippoku Style | 生徒の笑顔を忘れません
 
 今まで、このNippokuStyleに、個人的なことを書いたことはありません。でも、一回ぐらい書いても、許してもらえると思います。
 私の日立北高での勤務は、今日が最後です。
 この一年間、新米校長としていろいろなことがあったので、それを思い返しているとあっという間に時間が経ってしまいます。そして、残された時間で、まとまった思いを綴れる自信もありません。
 日立北高は、今日で開校以来満30年が過ぎました。その間、私は教員として15年、校長として1年、合わせて16年勤務しました。そのため、私はこの日立北高で共に生活した生徒達や同僚に皆さんに、教員としてだけでなく、人間として育てられたと思っています。本校の教職員は全員そうですが、私も日立北高に強い愛着を持っています。だから、私にとってここを去るということは、とても辛いことです。
 今日の午前中に県庁で校長会があり、昼過ぎに学校へ戻ってきた時、職員玄関でバスケットボール部の生徒達が並んで待っていてくれました。いつ帰ってくるかわからない私を、並んで待っていてくれている姿を見たとき、感激しました。バドミントン部の生徒達も、校長室に挨拶に来てくれました。そんな生徒達の顔を見ていると、明日から会えなくなることが信じられないし、生徒達の純粋な目を見ていると涙が出てきそうでした。
 私たち教員はいつも、生徒達からやる気と元気をもらいながら仕事をしています。それに加えて今年は、卒業生から「教員の醍醐味」を感じさせてもらいました。それは、30周年記念誌に寄稿してくれたKさんのこの言葉です。
・・・研究者としての道も選ぶことが出来たが、どうしても「先生」になって、彼らから受けた恩を、後続を育てるという形で返したかった・・・
 卒業生がこう思ってくれていたことは、素直に嬉しかったし、それ以上に、自分の大切な人生の岐路にたった時、高校時代の経験をもとに人生を選択してくれたことを知り、感無量でした。日立北高で育った卒業生と私たちの間で、「思い」を受け渡しすることができた喜びは何物にも代えられません。
 そんな素晴らしい生徒や卒業生に恵まれた日立北高での生活ですが、校長がいくら一人で頑張ってもダメなのです。ですから、「本校の良さ」はイコール「職員の良さ」なのです。日頃の生徒への指導だけでなく、今回の地震時の対応を見ていても、「日立北高の職員は最高だ!」と自信を持って声高に言えます。そういう職員だからこそ、生徒と職員の仲がいいのです。今日、校長室に来た生徒もいってました。「日立北高って、先生と生徒が仲いいよね。中学校みたいだもの。」この生徒と職員の関係が、30年間受け継がれてきた日立北高の宝なのです。
 愛する生徒や職員から離れることは悲しいことですが、この一年間、脳裏に焼き付けた生徒達の笑顔を忘れることなく、明日からも頑張ります。
 一年間、ありがとうございました。


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